2011年2月27日日曜日

闘いは続く:2/26ウィスコンシンで10万人集会が開催される








ウォーカー・ウィスコンシン州知事による組合攻撃を狙いとした「予算修正法案」に対して、2月26日に、州都マジソンで10万人の反対集会が開催されました。同時に全米各地で大規模な連帯集会が開かれました。

州議会下院では25日未明に、共和党議員の賛成で法案を可決していますが、上院では民主党議員が出席を拒否しているために、定足数に達せず、法案審議は止まっています。

ウォーカー知事の提案した法案の内容
(1)州や自治体職員の団体交渉事項を賃金に限定し、他の労働条件を交渉事項からはずす(消防職員と警察職員などは対象外として、従前通り交渉権を認める)、(2)ウィスコンシン大学職員、ウィスコンシン大学病院職員、在宅介護労働者や保育労働者の団体交渉権を廃止する、(3)州職員の組合費のチェックオフを禁止し、組合費を払わないことを認める、(4)過半数の職員が組合を支持しているか否かの認証選挙を毎年実施することし、過半数の支持を得ていない場合、現行労働協約は失効する、(5)労働協約の有効期間は1年として、延長を禁止する、(6) 賃上げは消費者物価の上昇率までとする、(7)年金や健康保険の職員負担を増額することなど。

組合は、団体交渉権などについて、知事が交渉に応じるのであれば、年金や健康保険の職員負担の増額に応じるとしています。しかし、知事は拒否し、法案が成立しなければ、レイオフ(解雇)すると脅しています。すなわち、この法案の狙いは、財政再建ではなく、組合つぶしです。

以下の映像は2月26日の州都マジソンでの10万人集会の模様です。



闘いの動向は以下のサイト(英語)でフォローできます。
AFL-CIO Blog News
http://blog.aflcio.org/
Wisconsin State AFL-CIO
http://www.wisaflcio.org/

2011年2月26日土曜日

アメリカの中西部で歴史的争議が始まる

日本のメディアはあまり報道していませんが、アメリカの中西部の共和党知事の諸州で、アメリカ労働運動の今後の命運を決めるような大争議が勃発しています。

2010年11月の中間選挙で「茶会グループ」の支援を受けて州知事となった共和党右派の知事たち(中西部のウィスコンシン、オハイオ、インディアナ州など)は、財政赤字を口実に、州や郡、市などの自治体公務員、公立学校の教職員など公共部門の労働者たちの団体交渉権を剥奪することを主眼とする法案を提案しています。

これに対してウィスコンシン州の州都マジソンでは、先週以来、組合と支援者たちが、数万人の抗議デモを繰り広げ、州議会議事堂を占拠して、泊まり込みで闘いを続けています。支援と連帯の輪は全米に拡がり、2月26日土曜日には全米各地で連帯集会が開かれます。

運動メディアはこの事態を「アメリカ労働運動のグランドゼロ」「中東から中西部へ」と表現しています。

YouTubeなどで"Wisconsin"と検索すると様々な映像を見られます。
以下の映像は、現場の雰囲気が伝わってきましたので紹介しておきます。



http://www.youtube.com/user/mgwisni#p/a/u/1/5TmSNPpzkWc
http://www.youtube.com/user/mgwisni#p/a/u/0/sVemRn3FXVY

2月25日のDemocracy Nowで、エミー・グッドマンがマジソンの州議会から中継しています。

番組全体(前半はリビヤのことをやっています。15分くらいから中継が始まります)
http://www.democracynow.org/shows/2011/2/25

議事堂内部の状況
http://www.democracynow.org/2011/2/25/wisconsins_uprising_a_guided_tour_of

明治大学・労働講座の優秀レポートをアップしました

明治大学で開講していました労働講座が1月18日に終了しました。講座の最後の二回の授業では、学生たちに小グループに分かれて「長時間労働」と「非正規労働者」をめぐる問題点とその解決策について議論してもらいました。

最後に、受講生に二つのテーマでレポートを書いてもらいました。一つは「自分のめざす働き方について」、二つめは「日本の労働社会の問題点とその解決策について」です。その中から優れたレポートをアップしましたので、ぜひお読み下さい。なかなかの力作です。

以下のサイトで講座の概要と授業風景、レポートをご覧いただけます。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~labored/kifukoza/rodokoza2010.html

2011年2月25日金曜日

上の関原発建設反対・田ノ浦の支援行動

偶然ですが、上関原発建設反対の田ノ浦の埋立阻止行動に2日間参加してきましたので、この場を借りて報告いたします。私も年がいもなく怒りの感情を抑えきれませんでした

菅井益郎(國學院大學経済学部)
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偶然大分と山口に行っていて、中国電力がガードマン多数を雇って工事再開するとの報に接し、急遽私も上の関町の室津に行き、田ノ浦の支援行動に参加しました。21日は未明の2時から、22日は6時頃から田ノ浦現地の埋立阻止の闘いに加わり、23日は山口地裁で行われた自然の権利訴訟を傍聴して戻りました。今日(24日)夕方、昨日(23日)現地から祝島の男女二人がガードマンの下敷きになって負傷し、救急車で病院に入院したとの電話があったので、たいへん心配しています。詳しくは、

祝島島民の会のblog http://blog.shimabito.net/ 

に載っていますのでそちらを見てください。23日午後、山口を発つ頃、現地はたいへん緊迫しており、けが人が出そうな状況だと聞いていましたのでやはりそうだったのかと案じていました。

警備会社は従来からのアルソック(ALSOK)に加えて、東京神奈川を中心に営業しているシンティ警備会社です。シンティの方はいかにも不慣れな感じでしたが、会社のHPを見ると、1977年に発足し「成田空港建設工事、過激派対策」を請け負った会社です。顔や体つきを見ると、いかにも学生アルバイト風でした。おそらくかなりの多くがアルバイトだと思れます。この会社は中央区に本社があり、2009年の売り上げは連結で130億円にもなります。

一方アルソック(総合警備保障)の方は頻繁にテレビコマーシャルなども流す大手ですが、1965年設立され、2009年度の売上高は連結で2785億円にもなる大企業です。負傷者はどうもこちらの方で出たとのことです。私も彼らの前に座り込んでいたのですが、半分くらいは力も強く屈強な連中でした。見た目ではアルソックの方はサッカーやラグビー、相撲、柔道などからの転身組が多そうでした。他の半分くらいはそれほどではなかったのですが、外見的にはシンティ警備よりは統制はとれていました。しかし見えないようにして足を使う危険な連中でもあるようです。二人がやられたのも巨体の彼らが何人も覆いかぶさったためではないかと思われます。

おかしなおかしなことですが、工事を再開した午後4時頃でしたか、突如姿を現した中国電力は、山口地裁の岩国支部で「妨害禁止仮処分命令」が出た、という「告知」ビラを用意して配って歩くと同時に、工事の妨害禁止が決定したので皆さんは法律違反だから直ちに区域外に出なさいと、きわめて居丈高になってやって来ました。あまりに符節が合っているので皆唖然とするとともに、言葉では表現できない強い怒りが湧いてきました。ほんとうにひどい。山口県、山口地裁、中国電力はまさしく一体、かくも露骨にやるものか、私も柏崎刈羽原発反対運動に長くかかわってきましたが、裏での取引きや結託はあったけれども、ここまであらわな癒着というのはあっただろうかとか思ったほどです。この日はその後ひともめありましたが、彼らは「警告 取り壊さないでください」という紙をパイプなどに貼って引き上げました。「器物破損で訴える」というのですが、まあ、こちらも敢えて破る人などいません。

翌日の22日も朝6時頃から私も現地で座り込んでいました。前日以上にしつこくビデオカメラを回して人の顔を撮りまくっていたので、あちらこちらでビデオ係を触らぬようにして追い回しました。これは海の上でも同じだったようです。夕方祝島に行っていつも海上で阻止線を張っていた人たちの話しでも、中国電力の船が接近してきては、やたらに撮りまくるのほんとに頭にきたといっていました。海上保安庁の船はかなり大きいのが2隻、その次くらいのが2隻、排水口側(四代港寄り)と取水口側(西側)にそれぞれ配置され、高速艇のゴムボートが数隻、時々本川に戻って交替していました(四代まで歩いて行く途中で観察)。海上で阻止していた人たちの話しでは、海上保安庁もひどいけれど、海保の船がいなくなると、すぐさま中国電力と警戒船と呼ばれる船尾に赤旗を立てた、中国電力に雇われた推進側漁船が体当たりせんばかりにやってきて、きわめて危険だったといいます。海保がいた方が安全だと言っていました。警戒船は一日4,5万円で雇われているようです。翌朝の定期船から見た警戒船は四代の船だまりにあったものでした。

1200年の歴史と伝統をもつ「神舞」の調査をするために出かけた大分の伊美別宮社を訪ね、祝島の人たちの反原発にかけるエネルギーの源泉を少しはわかったと思えたのですが、上関原発は祝島の人たちのみならず、神舞の歴史と文化を冒涜し、破壊するものです。上関原発が田ノ浦のきれいな海と希少生物の宝庫を破壊すると同時に、日本中探しても多分他にはない、1200年も続いている「海を渡る祭」(入江英親)をも壊してしまうと思うと、心から怒りが湧いてきてなりません。日本文化を吹聴する政治家や文化人たちに上関原発の問題点を訴えて行く必要があると思います。

グリーンピースは少人数だったとはいえ、中国電力の東京支社に抗議を行なったということですが、これからも行なう必要があると思います。国会議員に対する働きかけもやらねばなりません。今、上関原発を止めるためには、あらゆる環境保護運動に取り組んでいる人々やグループ、団体がもてる力を集中する時だと思います。私もこれから取り組むつもりです。
(2月25日朝)