第5回社会運動ユニオニズム研究会
日 時:4月17日(土)13:30~17:00
会 場:総評会館4階402会議室(御茶ノ水、新御茶ノ水、小川町、淡路町下車)
テーマ: 労働運動をジェンダー視点で振り返る〜 女性労働運動の現状と課題
報 告:片岡千鶴子さん(連合男女平等局長)

新政権発足から1ヶ月。日本はこれから本当によくなるのか?期待と不安が渦巻いています。
新政権からは、すでに母子加算の早期復活、障害者自立支援法・後期高齢者医療制度の廃止が打ち出されています。
その流れを私たちは歓迎しつつ、その時期や内容についてはたくさんの心配もあります。
労働者派遣法の抜本改正はどうなるのか?
人々の生活は本当に立て直されるのか? 新政権はちゃんとやってくれるのか?
それは、私たちの行動にかかっているのだと思います。
去年に引き続き、世界反貧困デーに合わせて「反貧困世直し大集会」を行います。
ご参集ください。

センターの講堂。職業斡旋を受ける労働者の待機場所でもある。
住宅の電気工事関係の訓練施設
労働者や活動家が、仕事や活動を続けながら労働研究の学士や修士号を取れるようにと、通信制で学べるようになっている。スクーリングが合宿で開催されるため、教室や宿泊施設も完備されている。
大学の書店で2つのテキストを購入した。いつも思うことだが、アメリカの労働教材は、写真や図が豊富に使われ、わかりやすく制作されている。
同時にAFL-CIOは、「全国日雇労働者組織化ネットワーク(National Day Laborers Organizing Network :日雇労働者を組織するワーカーズセンターの全米ネットワーク)との歴史的な連携を決定した。これを機に、建設関係の組合との連携や、移民労働者を中心とする日雇労働者の権利確立、移民政策の改革などに積極的に取り組み始めることになる。
スターバックス・ユニオンは、NLRB(全国労働関係局、日本の労働委員会にあたる組織)による組合認証(NLRB管理下で選挙を行い過半数の支持を得ると認証され、排他的団体交渉権を得ること)を受けていないので、法的な団体交渉権を持たないし、任意に交渉することもできない(使用者が少数組合との交渉に応じると不当労働行為になってしまう)。
UNITE-HERE Local 6のスタッフであるJohn Rubenさんに4年ぶりに再会した。ルーベンさんは、2004年3月の「オイスターバー」争議の折に、HEREの代表団の一員として来日され、日本のオイスターバー(@アトレ品川)に対する抗議要請行動を行った時に出会った活動家である。2004年11月、2005年7月にお会いしてから4年ぶりの再会となった。








Domestic Worker たちの街:ニューヨーク
ニューヨークは多くのdomestic worker(家庭内で働く労働者)たちが働く街である。グローバル都市ニューヨークの主力産業は、金融産業やサービス産業である。そこで働く上流・中流クラスの専門職ホワイトカラーの生活を支える様々なサービス産業がある。それは、レストランやタクシー、警備などの産業である。さらに在宅介護や保育・家事をになう20万人のdomestic workerたちがいる。その多くがアフリカ系の黒人やカリブ海、中南米やアジアからの移民女性たちである。
7月16日、マンハッタンの中央に位置するミッドタウンのエンパイヤステートビルの近くのビルの一室にあるDomestic Workers Unitedを訪ねた。
リードオーガナイザーのAi-jen Pooさん(中国系2世)とオーガナイザーのJoycelyn Gill Campbellさん(カリブ海出身)に会って話を聞いた。
以下のYouTubeビデオは、訪問したときに撮影したビデオの簡易編集版である(字幕がないので、概要は下記文章を参照下さい)。
Domestic Workerたちの現状
Domestic Workerたちには公正労働基準法(FLSA)や労働安全衛生法(OSHA)が適用されない。低賃金で長時間労働が蔓延している。有給休暇や病気休暇もない。雇い主の家庭内で働くため虐待や暴力、セクシャルハラスメントも絶えない。そして、全国労働関係法(NLRA)が適用されないため労働組合を結成する権利もない。
組織化によって現状を変えよう
Domestic Workers Unitedは2000年、domestic workerたちを組織化することによって、現状を変えようとスタートした。
主要な活動
(1) 会員の組織化
ベビーシッターたちがよく集まる公園やバス停でのビラまきを手始めに、一人ひとりに声をかけて加入してもらう活動を続けている。専従オルガナイザー4名に、16名の執行委員会が中心となってボランティア・オルガナイザーたちが組織化活動を進めている。現在、2300名の会員がいる。
(2) 教育活動
教育活動には熱心である。コーネル大学レイバーセンターと連携したベビーシッターたちに対する総合的なトレーニングプログラム(保育者としての基本知識とスキル、安全衛生、雇い主とのコミュニケーションと交渉)や、YMCAと連携した第二言語としての英語教育やコンピュータ教育、リーダーシップ・トレーニングプログラム(組織化、社会変革理論、基礎的政治経済学、Domestic work産業史)、その上級プログラムなどを実施している。
(3) 労働相談と解決、雇い主の意識改革
個別のDomestic workerからの相談や情報提供などの労働相談活動や、賃金未払いなどの案件については雇い主への申し入れや交渉を行っている。悪質な雇い主に対しては、その自宅(domestic workerの職場)や雇い主の職場前で抗議行動をやることもある。こういった取り組みをとおして、雇い主の意識改革にも取り組んでいる。
(4) Domestic Workers Bill of Rights制定キャンペーン
現在、ニューヨーク州議会に対して、Domestic Workers Bill of Rights(Domestic Workers権利法案)の制定キャンペーンを進めている。20万人のDomestic Workerたちの雇い主は20万人いる。その一人ひとりと交渉して労働条件を改善することは不可能である。労働法の適用を除外されているdomestic workersたちの権利を確立するためには法的に権利を確立するしかない。
その具体的内容は
・ 5割増の時間外休日労働手当の支給
・ 消費者物価指数の上昇にあわせた毎年の賃金引き上げ
・ 週1日の休日、有給休暇(5日の病気休暇、5日の個人休暇、勤続年数に比例した2週間から5週間の休暇、祝日の有給休日)
・ 21日前の解雇予告、解雇手当(勤続年数×週給)
・ ニューヨーク雇用差別法の適用
・ 健康保険の加入
・ 違反した雇い主に対する訴訟する権利、州労働長官と司法長官の訴訟代理権、ニューヨーク市と7つの周辺の郡に適用
(5) 文化運動
自分たちの経験や闘いについて話り、書き、劇にしたり、音楽や歌やダンスなどの文化活動に毎月取り組んでいる。
(6) National Domestic Workers Allianceの結成
2007年にはNational Domestic Workers Allianceを結成し、全米各地のDomestic Workerたちの組織と連携をしている。また、他の社会運動との連携も進めている。Domestic Workers Bill of Rightsの制定キャンペーンは、様々な労働組合や社会運動、コミュニティ運動組織の賛同を受けて運動を進めている。
会員総会に参加して
7月18日、月例の会員総会が開催され、そこに参加することができた。執行委員でボランティア・オーガナイザーであるLois Newlandさん(写真右・カリブ海出身)から組織化について話を聞いた。自ら介護労働者として日々働きながら、バス停や公園でのビラを配り、組織化に取り組んでいるという。彼女は、在宅介護労働者を組織するSEIU1199の組合員でもある。
Domestic Workers Unitedのウェブサイト
事務所で、Nadia Marin-Molinaさん(Executive Director・ロースクールの時にインターンとして働き、1996年から専従スタッフ)と、インターン中のロースクールの女子学生から話を聞いた。
Workplace Projectは1992年、労働と生活条件の改善のために、移民労働者とその家族の会員組織として設立された。ロングアイランドの住民の12%である33万人がラテン系(中南米系)住民である。その使命は、低賃金(平均賃金は2万ドル、約200万円)で劣悪な労働条件で働くラテン系民労働者たちに対する搾取をやめさせ、コミュニティにおける政治的・経済的・文化的な参加を促進することによって、社会経済的な公正を実現することである。
主要な活動:
移民政策改革(合法化、強制送還の停止、家族の再会、国境の壁の廃止)、労働者の権利(Domestic Workers Bill of Rightsの制定、ニューヨーク州労働局の監督・違法是正の強化、職場での虐待や法違反に対して闘う労働者の支援)、住宅(住宅差別の撤廃、低家賃・低価格で入居できる住宅建設の促進)、市民的な包摂(政治的経済的文化的コミュニティへの包摂、有権者登録)などへの取り組みである。
労働者の権利コースや英語クラスなどの教育に力を入れている。日雇労働者センターやFarmingvilleにコミュニティ組織化センターを設置している。Domestic Workers Unitedとも連携して、住宅清掃の労働者の組織化を進めている。また、Laborers(建設労働者の組合)の住宅建設労働者の組織化に協力している。
2006年春、移民法改悪に反対するデモが全米各地に広がり、5月1日、Hampstead駅前に5000人の移民たちが集まった。
労働相談:
労働相談は、年によって増減があるが、400件ほどである。毎週火曜日の夜、労働者委員会で労働相談を受け付ける。その多くが賃金(時間外休日労働手当を含む)未払いや不当解雇、有給休暇が 取れないこと、安全衛生問題などである。解雇が自由なので、不当解雇への取り組みはなかなか難しい。賃金未払いについては、使用者に対して手紙や電話で支払いを 督促する、直接交渉する、次はニューヨーク州労働局へ申し立てる、などの手順で進められる。賃金未払いをくり返す悪質な使用者に対しては、労働局へ告発して逮捕させ ることによって制裁をしている(逮捕された使用者の顔写真が事務所に張り出されていた)。相談者の99%はラテン系だが、同じ職場にいるアジア系やアフリカ系の労働者が一緒に訪ねてくる場合もある。
会員になるためには:
労働相談やWorkplace Projectに関心を持って訪れた労働者には、労働者の権利コースを受講してもらい会員になる。現在までに900名のコース修了者がいるが、日常的に活動に参加している会員は80名から100名くらい。会費は月5ドル。また、会員の組織化や活動の宣伝のために、地元のスペイン語新聞に記事を書いてもらい、無料で広告を掲載してもらっている。
※労働者の権利コース:年に4回ぐらい開講、8週間コース(土曜日か日曜日に開催)、内容は労働者や市民としての権利、安全衛生、労働・移民史、連携しているクレジット・ユニオン(信用組合)の活用などについて
財政とスタッフ体制:
収入の65%から70%は民間財団からの助成金。4名がフルタイム専従。
以上がWorkplace Projectの概要である。ラテン系移民コミュニティに基盤を持った労働者センターである 。
Workplace Projectのウェブサイト http://www.workplaceprojectny.org/