ワシントンDCのAFL-CIO本部のなかに、「国際労働コミュニケーション協会 (International Labor Communications Association)」がある。各組合のコミュニケーション部門(広報)の担当者と労働分野のジャーナリストによるネットワーク組織である。私たちはこの事務所に立ち寄って、ひとりのレイバーメディア・アクティビストを紹介してもらった。
「UNION CITY」という日刊ニュースの編集長を務めるChris Garlockさん(写真)である。彼の所属は、AFL-CIO本部ビルの向かいにある「AFL-CIOワシントン首都圏評議会( Metropolitan Washington Council, AFL-CIO)」で、日本の連合の地域協議会にあたる組織である。
全米労働大学(National Labor College) の近くに、ワーカーズセンター「メリーランドの家( Casa De Maryland)」がある。これまで訪ねたワーカーズセンターのなかでは規模が一番大きく、活動領域も広い。労働分野にとどまらず、政治や生活、文化に関わる活動をおこない、コミュニティセンターという感じだ。ワーカーズセンターの活動はむしろ、「メリーランドの家」の一部門という位置づけであるようだ。中米出身の労働者ばかりでなく、カリブ海出身の黒人労働者も集まっていた。
ワシントンDC近郊のメリーランド州シルバー・スプリングに、労働組合が設立した「全米労働大学(National Labor College)」がある。AFL-CIOが1974年に George Meany Center for Labor Studies として設立し、2004年に大学としての認可を受けた。それを機に、名称は「全米労働大学」に変更された。大学は、教会の施設であったところに開設されたので、芝生が広がるなかにレンガ建ての建物が点在する美しいキャンパスである。
一方、SEIUなどのビッグ組合は2005年、AFL-CIOを脱退して新たなナショナルセンター「 Change To Win 」を結成した。それに対してAFL-CIOは、AFL-CIOに未加盟の組合でも、連帯憲章(Solidarity Chatar)に賛同すれば、州や地域レベルの評議会に加盟できるようにした。その結果、脱退組合のローカル(支部)が残留を続け、AFL-CIOに未加盟であるアメリカ最大の組合「全米教育組合(National Education Association )」のローカルが、州や地方評議会に加盟するようになった。
2005年にニューヨークを訪ねたときに、同組合と連携するワーカーズセンター「Make the Road by Walking」(上記「Make the Road New York」の前身組織)を訪ねて、商店街の小売店の最賃法違反や残業代未払い是正キャンペーンについて話を聞いた。そのときの簡単な報告を読んでもらうと、同プロジェクトへの理解が深まると思う。
アメリカの労働組合にしては珍しく企業名を冠し、20世紀初頭に隆盛を誇った、かのIWW (International Workers of the World:世界産業労働組合、現在の組合員数は約2000名)に所属する組合だ。グロスさんはIWWのオルガナイザーでもある。ユニオンの組合員数は約400名、ニューヨーク・マンハッタンを中心に、複数の州とカナダのケベック州に組合員がいる。
UNITE-HERE Local 6のスタッフであるJohn Rubenさんに4年ぶりに再会した。ルーベンさんは、2004年3月の「オイスターバー」争議の折に、HEREの代表団の一員として来日され、日本のオイスターバー(@アトレ品川)に対する抗議要請行動を行った時に出会った活動家である。2004年11月、2005年7月にお会いしてから4年ぶりの再会となった。 http://www.jca.apc.org/apwsljp/report/losangels/NY/NY.htm UNITE-HEREから一部グループが脱退して、Workers United を結成してSEIUに加入した経緯を伺った。SEIUの強引な対応に歪みが出てきているなあと感じられた。
現在、ニューヨーク州議会に対して、Domestic Workers Bill of Rights(Domestic Workers権利法案)の制定キャンペーンを進めている。20万人のDomestic Workerたちの雇い主は20万人いる。その一人ひとりと交渉して労働条件を改善することは不可能である。労働法の適用を除外されているdomestic workersたちの権利を確立するためには法的に権利を確立するしかない。
2007年にはNational Domestic Workers Allianceを結成し、全米各地のDomestic Workerたちの組織と連携をしている。また、他の社会運動との連携も進めている。Domestic Workers Bill of Rightsの制定キャンペーンは、様々な労働組合や社会運動、コミュニティ運動組織の賛同を受けて運動を進めている。
移民政策改革(合法化、強制送還の停止、家族の再会、国境の壁の廃止)、労働者の権利(Domestic Workers Bill of Rightsの制定、ニューヨーク州労働局の監督・違法是正の強化、職場での虐待や法違反に対して闘う労働者の支援)、住宅(住宅差別の撤廃、低家賃・低価格で入居できる住宅建設の促進)、市民的な包摂(政治的経済的文化的コミュニティへの包摂、有権者登録)などへの取り組みである。